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 舞台の上にバトンを持った女性がいる。  女性が語りだす。幼少期にバトントワリングをはじめた。夢中になり、腕も上がった。しかし、事故に遭ってバトンを投げられなくなった。女性は語る。バトンを投げているあいだは神が見える。空中に飛びあがったバトンになる。バトンをやる人間は一年に一回ある場所に集まって剃刀の刃のついたバトンを投げる。それをつかむと血が出る。その血は地面に落ちて神のすがたを描く。女性はあなたにバトンを残していく。バトントワリングの世界に入るがいい。  女性が舞台から消える。  バトンをまじめに語る話かと思いきや、途中から宗教じみてきた話でした。不気味ですね。
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