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 友人から電話がかかってくる。メジャー球団に入団したという知らせだ。たまたまけが人が続出したところに監督から誘いを受けてバントくらいできるだろうといわれたという。友人は有名選手とベンチに入った。そこで薬物を渡されて、つい飲んでしまった。頭はぐらぐらだ。わけのわからないまま、代打として試合に出場する。バントをすればいいのだが、相手は球界屈指の名投手。しかも、薬が抜けていない。あっという間に追いこまれる。三球目に高めのストレートが来た。それを友人はスタンドへ放りこむ。なにが起こったのかわからない。薬の効果がますます体を回る。ベースを一周してチームメイトから歓迎される。友人に薬物を渡した選手以外は薬でおかしくなっていることに気がついていない。試合には負けたが、おれはたしかな痕跡を残した。友人が電話の向こうでしゃべっている。  薬をやっている友人からの電話の話でした。話がめちゃくちゃなのでたぶん妄想でしょう。
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