231

1/1
前へ
/284ページ
次へ

231

 ある女性が橋の上を歩いている。車も行き交う長い橋だ。女性の前にはひとりの女がいる。なにかを抱えているようだ。女性はなにを持っているのか想像する。花束か、赤ちゃんか。一定の間隔をあけて女のあとを歩いていると、橋のまんなかあたりで女が止まった。橋の下を覗きこんでいる。女性が様子を観察している。女が突然、抱えていたものを川へ投げこんだ。音がして流されていく。なにを投げたのだろう。女性が川を見るが、もうなにも見えない。赤ちゃんだろうか、花束だろうか。なぞのまま女は川を見つめている。  女が投げたものはなんだったのか、気になる話でした。状況がいいですね。橋の上からなにかを投げるだけでいろいろな可能性が想像できます。
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加