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 ある女性、母親とビーチにきている。砂浜を歩いていると、ひとりでいる少年を見つけた。声をかける。少年はすぐさっきまで泳いでいたようで髪が濡れていた。その少年が話す。灯台まで泳いできた。しかし、海を見渡しても灯台は見えない。少年はさらに語る。その灯台には巨人がいるんだ。巨人の殺し屋だよ。女性は母親と顔を見合わせる。子ども特有の妄想だろうか。少年はつづける。殺し屋だけど親切なんだ。また行こうと思っている。言いたいことだけ言うと、少年は女性たちからはなれていった。去りぎわに少年がつぶやく。ぼくの母親は昨日死んだんだ。突然の告白に女性と母親はかける言葉がなかった。  灯台に巨人の殺し屋がいると話していた少年が、いきなり昨日母親死んだという話でした。どこまで本当なのか、少年になにが起こったのか、気になりますね。
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