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 ある男性のもとに封筒が届く。情報を専門に扱う雑誌の定期購読の知らせだ。友人の勧めで買いはじめたものだが、まったくくだらない。しかし、封筒に書かれている男性の名前がまちがえている。無視するだけでは収まらないので、男性は返信用の手紙に嫌味をかいて送りかえした。しばらくののち、その雑誌社からまた手紙が届いた。内容を確認すると、断ったのにもかかわらず定期購読を勧める内容だ。しかも、定期購読の値段が跳ねあがっている。冗談ではないと、怒りを抑えながら男性が手紙を読みすすめていく。そこには男性の浮気の証拠をつかんだ。写真を同封するのでぜひ定期購読をと書かれていた。入っていた写真はたしかに浮気現場だ。男性はあわててへそくりを引っぱりだした。男性のへそくりの額は雑誌社が要求した商品の値段と手紙を送るための切手代を合わせた額ぴったりだった。  これはきれいな作品でした。オチのへそくりが雑誌社の要求分プラス切手代できれいになくなるのもおもしろいです。なんでもお見通しですね。
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