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 ある男性、病院で死体の処理を受けもっている。男性は同僚とともにある男の死体を病室から運びだす準備をしていた。変に曲がった姿勢を正して体に刺さった注射の管を取りのぞく。細かいところは化粧でどうにかする。男性は死んだ男がどんな人生を送っていたのだろうかと考える。いまは死体だが、昨日まで動いていたのだ。運びだす準備を整えたところで、病室に女性とその娘が入ってくる。この男の家族だった。家族が死体になった男を見て泣くのを男性と同僚は黙ってみていた。  死体の処理を仕事にしている男性の話でした。死体を普段から扱っているひとは死体に対する感情が普通の感覚とちがうのでしょうか。気になりますね。
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