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 男性ふたり、ひとつの家で暮らしている。切手の蒐集が趣味だ。古い切手専門で新しいものには興味がない。ふたりがいっしょに暮して長いが、どちらも歳をとった。たがいに口論にならないよう気を使っている。老化していく身体を見ると、余裕がなくなる。金銭的にもふたりは裕福なわけではない。そんなある日、ふたりは外出先で探していた切手を見つけた。欲しいが、高い。切手をじっと見ていると、店主に嫌味をいわれた。そこで男性の片方が店主にいい返した。切手を買えずにふたりは帰宅する。後日、友人を呼んでパーティをすることになった。そこで男性のひとりはこっそり買っておいた切手をもうひとりの男性に披露した。最高のプレゼントになった。  切手収集が趣味の男性ふたりの話でした。切手が手に入ってよかったですね。
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