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 ある男女、他人の悪口をいうのが趣味である。その夜も招待されたパーティの悪口をいっていた。料理が貧相だの、家主の性格が悪いだの、悪口は止まらない。そんな男女の標的はあらゆる人間だった。そのなかに男女へ復讐しようと思うものがいた。その人物は男女に呪いをかけた。  それから数日後、女性がこっそりと病院をおとずれる。おどろいたことにその病院に男性もいた。ふたりの舌は燃えるようになってしまったのだ。医師はお手上げで治る見込みもない。自分たちで招いたわざわいだ。いまさら後悔してももう遅い。  他人の悪口ばかりいっていたら自分の舌が炎上した男女の話でした。昔に書かれた話ですが、偶然にも現代と合っていますね。おもしろい一致です。
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