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 ある男性が自宅で休日をすごしている。男性は政治家だ。自宅は眺めのよい場所に建っているそれなりの豪邸だ。そこへ来客があった。用件を聞く。ドラマの撮影に男性の家を使わせてほしいという。特別損をすることではない。男性は引きうけた。すぐに俳優のひとりとカメラマンがやってくる。相手の俳優は遅れてやってくるそうだ。悪の道から立ち直った男が恩人にお礼の金を渡しに来るシーンらしい。恩人は金は受けとれないと断るが、男の必死の説得で慈善事業に寄付をしようと思いなおすという設定らしい。すこしして相手役の俳優がやってきた。聞いていた設定のとおり、札束が行ったりきたりする。恩人が金を受けとると、相手役の俳優は車に乗って帰っていった。これで終わりらしい。お礼をいってみな撤収した。  その翌日、男性のもとに身に覚えのない電話があった。金は渡したではないですか。どうか先生の力でお願いしますよ。どうやら、壮大な詐欺にかかったようだ。  大がかりな詐欺にあった政治家の話でした。
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