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 電車に母親と子どもたちが乗っている。母親は女の子のめんどうを見ている。男の子は向かいの席にひとりで座っていた。男の子は外の景色を見ては、川があった、牛がいたと好奇心旺盛だ。そんな男の子が窓の外に魔女がいたといいだした。母親は否定するでもなく受け流す。男の子は熱心に話す。魔女がいた。お前を殺してやるって言っていた。母親は女の子の世話で手いっぱいだ。そこへ車両の前方から男がやってきた。男の子が挨拶をする。男は挨拶を返し、男の子のとなりに座った。男は男の子に話をしだした。わたしにもかわいい妹がいた。あまりにもかわいいので首を絞めて殺した。体をばらばらにして、あまたは熊に食わせた。母親が抗議しようとするが、女の子が泣きだしたのでそちらに手を取られる。そのすきに男は席を立って去った。母親が男の子にいう。あなたをからかったのよ。男の子はそうかもしれないと思った。けど、あれが魔女なのかもしれないとも思った。  電車内の話です。子ども相手に怖い話をする男の話でした。こういうこともあるかもしれませんね。
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