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 ある家庭に近所の親子が遊びに来ている。よその親子を迎えた母親は自分の子どもはピアノが弾けるといった。聞かせてあげなさいという。しかし、子どもはいやだと拒否する。自分勝手でしかたないわね。じゃあ、詩はどう。うちの子は詩が作れるの。いま作ってごらんなさい、という。しかし、これも子どもは拒否する。じゃあ、作っておいた詩があったでしょう。それを読めばいいわという。子どもはしぶしぶそれに従って詩を読む。母親は子どもの詩を絶賛する。だが、子どもは告げる。これはわたしが考えた詩じゃないの。本から写したのよ。母親はおどろく。それと同時によその親に向かって言う。子どもはたまにこういういたずらをするのです。困ったものですね。  子どもの自慢をする親の話でした。よくある話ですね。
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