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 ある街にあいつは死んでいるといわれている男性がいる。その男性は自分は死んでいるといっているし、ほとんど動かないし、無口である。そんな男性に対して街のひとは結婚したらいいとたきつける。街のなかで唯一男性にかまう女性がいた。その女性と男性が結婚したらいいと冗談半分で言っているのだ。  街のひとは男性についてこう考えることもある。あいつは本当に死んでいるのではないか。男性が正しくてわたしたちがまちがっているのではないか。現に街唯一の医者は男性の脈をとったことがない。  そんななか、男性が女性に告白した。ふたりは結婚することになった。街に新しい家を買ったという。しかし、街の不動産屋に聞いても家を売った覚えはないという。男性と女性が帰る先には墓地がある。  死んでいるといわれた男が、本当に死んでいた話です。話が明確ではなくはっきりとつかめませんでした。男性が死んでいるのはいいとして女性までなぜ死んでいるのでしょうか。
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