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 ある男性、ます釣りの解禁日に毎年友人と釣りをしている。今年もその予定だったが、年々川の権利が金持ちに買われてしまい、釣る場所が減っている。そこへ来て解禁日の夜に妻がパーティに招待された。もちろん、男性も行かなければいけない。妻を招待したのは川の権利を持っている富豪の一家だ。  男性は友人と釣りに行く。決められた場所ではかかりが悪い。男性たちは私有地へ入って釣りをする。かかった魚に夢中になっていて、管理人が近づいていたことに気づかなかった。名前と住所を控えられる。パーティの富豪にも伝わることだろう。男性は釣りを終え、パーティに向かった。そこで富豪に直接話をする。川で違法に釣ったことを白状する。富豪は融通をきかせてくれるといったが、男性は断固拒否した。それを富豪はおもしろいと買ってくれた。だが、男性は不快だった。これはプライドの問題なのだ。  有力者に気に入らなければ社会でやっていけないが、プライドが許さない。ジレンマですね。
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