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 ある男性の上司、極度に虫を怖がっている。つねに蠅たたきをもって、殺虫剤も欠かさない。なにかわけがあるのだろうかと探る。すると、上司の父親が銃の事故で死んで、その死体に虫が群がっていた場面を目撃したことがわかった。上司が子どものころのできごとなので衝撃は大きかっただろう。そんな上司の虫恐怖症はどんどんひどくなる。最近では虫をあやつる“やつら”がいるといいだす始末だ。男性は上司と接するうちに虫に対して苦手意識を持つようになる。そんなある日、上司と連絡が取れなくなった。男性が上司の家へ行くと、変わりはてたすがたの上司が。やつらがあやつっていたのは虫ではない。バクテリア、細菌だ。上司の顔はバクテリアに侵されてあとかたもなかった。男性はその恐怖を書きしるす。いずれ男性もやつらにやられるだろう。  死体に虫がたかる場面が怖かった場話でした。直接的なホラーでしたね。
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