95

1/1
前へ
/284ページ
次へ

95

 肉屋を経営している移民の男性がいる。店舗兼住宅で妻と娘と暮らしている。その娘がちょうど遊びたいざかりの年ごろだ。男性が門限を決めているのに、いつもそれに抵抗する。肉屋がある一帯の治安は悪く、不良連中がそこら中にいた。男性としては娘にかかわってほしくないが、娘はそんな連中にあこがれている。ある夜、ついに娘が門限を破ったとして、男性はとびらに鍵をかけて娘を閉めだしてしまった。しばらくすれば反省するだろうと男性は思っていたが、娘は不良のひとりと夜の街へ消えてしまう。あわてて消えた娘を探すが、手がかりがない。しばらく周辺を探したあと男性が自宅に戻ると、娘と似た背格好をした女性が倒れていた。毒を飲んで自殺を図ったらしい。男性は警察と救急車を呼ぶ。やってきた警官に自分の娘が行方不明だと伝えると、捜索してもらえることになった。警察が自殺を図った女性について調べたところ、水商売の店で働く女性だった。事情を聞くと、人生に絶望して毒を飲んだのだという。肝心の娘だが、捜索をしていた警官によって不良といっしょにいるところを発見された。不良ともども連行する。娘がいる警察署へ男性がやってきた。娘に対してどんな感情を持ったらよいのかわからないまま娘を引きとって帰っていった。  実際にありそうな話でした。自然主義の作品と紹介されていましたが、自然主義がどういうものか理解するのはむずかしそうです。
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加