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「ちょっと待ってください! せっかく来てくれたんですから打ち合わせいいですか⁉︎ 次のネームできたんで!」
急ぎの用があるわけでもないし、断る理由はない。
「では……先に戻っていてもらってもいいですか」
「そしたら俺も」
西川さんは再び椅子に座ろうとしたけれど。
「すみません、漫画になる前を他の人に見られるのは好きじゃないんです」
漫画家にこう言われれば、担当以外の編集は従う他ない。
「……わかりました。先行ってます」
「車に乗っていてください」
「はい」
西川さんは少し不満げに眉を寄せたものの、それも一瞬。頷いて、見送ろうとしてくれるアシスタント達に挨拶をしながら部屋を出て行ってくれた。
西川さんが視界からいなくなった。それだけで安堵で肩の力が抜ける。
「どうかしました?」
「いえ……ネーム、見せていただいても?」
「勿論! 新章の始まりなんで、読者を惹きつけたくて工夫しました!」
「それは楽しみです!」
帰りを考えるとまた気が重いけれど、今は目の前にある漫画の続きが楽しみで、今度は自然に笑う事ができた。
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