三、

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 流れに身を任せて、とにかく忙しくしていたかった。  でも、それは時間が経つにつれて怪しくなっていく。 「もう大丈夫だからお前もゆっくりしろよ?」 「そうだぞ、しっかり食べろー」  食べ物が行き渡り、お酒も二、三杯目に入るとやる事もなくなってきて、腰を落ち着けるよう勧められる。それでも今度は最近お世話になった先輩にお礼を言いに行ったりお酌に行ったりと用事を見つけて動き回ったけれど、最後は。 「ほら、席に戻って来い! 西川もそっちじゃ食えないだろ!」  班長の鶴の一声で呼び戻された。  テーブルに正しく人が揃うと、話題は自然と異動してきた西川さんへと移る。 「どうだ? 慣れてきたか?」 「はい。でも、やっぱり勝手が違いますね」  西川さんがグラスを置いて答えると、他のテーブルの先輩達もなんだなんだと集まりだした。 「例えば?」 「食料庫に驚きましたね。まさかカップヌードルと煙草を有料で並べてるなんて」 「あー! 何回言っても煙草と食べ物の自販機入れてくれないんだよな、うちの会社」 「それに来客用の常備してるお菓子も柿の種だのかりんとうだの乾き物ばかりじゃないですか」 「これでも榎野が来て随分おしゃれになったんだせどな。ちなみに少女漫画編集部は?」 「果物専門店のゼリーとか水羊羹とか日持ちするケーキとかですね。持ち回りで買ってきて、差し入れもここから」  西川さんの答えに「おー!」なんて歓声があがった。
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