38人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーー
私は父島の山中へパラシュート降下を成功させていた。雲の中で緊急脱出したことから、追撃機も私達がF35と一緒に撃墜されたと考えているだろう。三十五回目にして、初めて完全に米海軍から逃亡する事に成功したという事だ。
地面に置いたLSSのロックを外し前面の扉を開けた。そこには可愛い我が娘が眠っている。跳躍者としての遺伝子操作を施されたこの娘も、私と同じ能力を持っている筈だ。でも……。
彼女の頬に手を触れると、娘がユックリと目を開いた。
「目が覚めた? そうね。貴女の能力は永遠に封印しましょう。貴女に生命の危機が起きない限り、その能力を復活させる必要はないわ。ねぇ、マリ」
マリが満面の笑顔で私を見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!