38人が本棚に入れています
本棚に追加
最初の復活
「えっ? 明日、翔とデートなの?」
駅に向かいながら、彼に誘われた事を陽毬に話すと彼女は目を丸くしている。
「いや、デートじゃなくて……」
「良かったね、真理。私、応援するわよ」
「だから、そんなんじゃない……と思う」
二人で駅前の交差点を青信号を待って渡って行く。
「これは楽しみな展開ね。真理、明日の結果、教えてね」
その言葉に小さな溜息を吐く。翔くんと一緒なのは嬉しいけど……彼が私に声を掛けた理由は全く思い当たらない……。
その瞬間だった。
『キュー! ガン!!』
激しい衝撃音に振り返ると、交差点内で直進車と右折車が衝突して、その内の一台が制御を失い横断歩道上の私達に高速で迫っている。
次の瞬間、私達は撥ねられ宙を舞っていた。その時、私の頭の中で声が響いた。
(私の能力を復活させるわ)
最初のコメントを投稿しよう!