永続シークレットガーデン

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 このご時世、庭木がある家は減っている。  特に地価の高い都会になればなるほど、そもそも庭の面積が狭いのだ、当たり前である。手入れの煩わしさや、虫や防犯上の問題で、殆ど絶滅の危機に瀕している。  が。  それでも潤沢に庭木を植え、しかも定期的な手入れが欠かせない場所がある。それは公共の庭園や施設であり、寺社仏閣だ。特に歴史的建造物となれば余程のことがなければ数十年、数百年と管理が必要になってくる。当然、植木屋の出番も尽きない。  従って、本邦では、寺院が集中している古都には自然と植木屋も多く集まる。需要と供給、そこは資本主義の力学が働いていた。
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