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「監禁するぞっ」
と怒られ、
何故、突然、監禁……と思いながら、万千湖は仕方なく、口を割った。
「……か、課長のこととか書いてあるからですよ」
と赤くなる。
今日、課長が作ってくれたビーフシチュー、プロ級だったなとか。
課長が突然、夜食におむすびを作ってくれて嬉しかったなとか。
課長が気になっていたお菓子をサプライズで買ってきてくれて嬉しかったなとか。
この日記には、課長への愛が詰まってるから、と万千湖はぎゅっと日記を胸に抱いた。
もっとも駿佑が読んだら、
「俺への愛っ!?
食い物への愛だろうがっ」
と叫んでいたかもしれないが。
「……俺のこと?」
とその内容を知らない駿佑は眉をひそめる。
「まあ、お前、なんでもかんでもその日記に……」
と言いかけ、ハッとしたようだった。
「お前、初めてキスしたこととか。
初めての夜のこととか」
いや、そのふたつは一緒ですよ。
「なにもかも全部書いてるんじゃないだろうなっ」
「そ、そんなことありませんよっ」
書くわけないじゃないですか、恥ずかしいっ、と駿佑の手から身をよじって逃げようとしたとき、日記がすぽん、と万千湖の腕から飛んで逃げた。
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