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「ゴメン、汚れちゃったね」
「いいの、いいの、これ古着だもん。前にここの公園でやってたフリマで買ったの」
「そう、ホラ、離せよ」
幸也くんはリードを引っ張る。だがレオはマフラーを離さない。
「これ、気にいっちゃったのかな」
「うーん、これ、どんな人から買ったの?」
幸也くんは首を傾げる。
「外人」
「この犬、麻薬犬だったんだ。一応、このマフラー警察に持って行こうよ」
え、えええ!じゃあ、あの外人が麻薬も売ってたんだ。そういえば怪しそうだった。
2人で近くの派出所に行って事情を話す。なんだか急に大接近だ。心臓が相変わらすバクバクいう。
「分かりました。このマフラーは預かりますね」
警察官はそう言うと、住所や名前を訊いてきた。結局2時間くらい派出所に居た。お父さんもお母さんも心配しているだろう。
「なんだか怖い」
「僕が家まで送って行ってあげるよ」
一緒に人通りも車の通りもない道を並んで歩く。学校の話とか家族の話とか取り留めのない話をした。クロとレオは仲良さそうに戯れながら歩いていた。
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