episode.1

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キーンコーンカーンコーン... 「はい、今日の授業はここまで!明日で学校終わるから、しっかり頭に入れとけよー」 うちのクラス、2年3組の担任・内野秀俊(うちのひでとし)が言う。 「はーい」 ロボットのように、同級生が言う。 そういや、明日で学校終わりか...。 「りーい!何してんの?」 「紗梨(さり)!いや、特に何もしてない。」 「そう?何か考えてるように見えたけど。」 「あぁ、夏休みのこと考えてた。」 「ふーん。てか、夏休みどうする?」 「どうだろ。まだ、家の用事とか分かんないんだよね。」 「私は、多分ひまかなぁ...」 「紗梨、毎年ひまって言ってるよね。」 「だってぇ、親仕事だし、兄弟とかいないし...。とにかくひまなんだよぅ!」 「もう、分かったから...。遊べたら、LINEするから、、」 「え!遊んでくれるの!?やった!」 「まだ分かんないけどね。」 親友の南石紗梨(みないしさり)と、夏休みのことについて話していると。 「島崎莉依(しまさきりい)!!後で職員室に来なさい!」 「莉依、また呼ばれてるよ。」 「はぁ、めんどくさ...。」 「まーた、弟くんがやらかしたんでしょ。」 「多分ね。もー、広斗(ひろと)のやつ!」 「いってらー」 「うん。」 ガララッ 「失礼します。」 「お、来たな。島崎、何のことで呼ばれたか分かってるか?」 「弟のことですか?」 「そうだ。」 「今度は何を?」 「教室で暴れた。」 「広斗のやつ...。」 「それで、島先に相談なんだけど...」 「はい。」 「どうにか出来ないか?あいつ。」 「さぁ。先生方でどうにかしてください。」 「ちょ、島﨑!」 「広斗は良い子です。きっと、先生方に問題があるんです。」 「...」 「失礼しました。」 ガララッ 「ふぅ...」 この学校、腐ってるわ。 「あ、紗梨待たせてるんだった。」 ガララッ 「あ、おかえりー。」 「ただいま。」 「また、先生たちにズバッと言ったの?」 「うん。広斗が悪者扱いされてるみたいでね。」 「広斗くん、めっちゃいい子だもんね。」 「うん。」 ピロンッ スカートのポケットから、音が鳴る。 「あ、ごめん。親からLINE来たわ。」 「あ、莉依の夏休みの予定?」 「それっぽい。」 LINEを開き、送られてきたメッセージを見る。 「夏休みは、福岡にあるおばあちゃんの家に行ってね。...だって。」 「うわぁーー...。もうこれ、私の夏休みひま確定。」 「ごめんね、紗梨...」 「大丈夫!てか、莉依のおばあちゃん家があるとこって海めっちゃきれいなとこだよね!」 「うん!」 「海の写真とか、LINEで送って〜?」 「いいよ!」 「やった!」
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