うつろ

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 2022年、新型コロナウイルスパンデミックは終息の兆しもなく、いまだに世界中でリモートワークが続けられている。製薬会社の営業部なんて、病院で医師と面会したくてもそっけなく断られる。つまり、リモートワークとは名ばかりで、家でダラダラと過ごす毎日。  1日2回のZOOMでの打ち合わせ、これもほとんどお互いが生存確認しているようなもの。モニターには、髭面でボサボサ頭、ジャージ姿の自分の顔が写っている。まあ、みんなだってそんな感じだ。おっと、今日は憧れの先輩、ジェシカもいるのだった。彼女にみっともない姿を見られてしまった。だが、明日は3日ぶりの出勤日、確か彼女も出勤のはずだ。スーツにネクタイでバッチリキメて行こう。ジェシカはきっとこう言うだろう。 「へえ、君って家ではあんな感じなんだ」  ギャップ萌えってこともあるかも? 「じゃあ、先輩が毎朝ネクタイを整えてくれますか?」  おっとっと、これじゃあプロポーズだ!
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