ザ・黒歴史誕生日

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「え、えっと……どうしよ……」  私は、完全に固まっていた。  やってしまった。完全にやってしまった――彼も、私も。何故ならば。 「私、サヤカじゃないよおおお!?」  私の名前はアヤカ。サヤカ、は一つ下の妹である。ケイジ君が付き合っているのも、当然サヤカの方だ。確かに顔は似ているかもしれない。そしてどっちも同じ大学なので、どちらもこの大学の構内で遭遇してもおかしくはない。しかし。  彼はあろうことか、妹と私を間違えてプレゼント渡した挙句、プロポーズまでしていった。しかもトドメが。 「し、しかもサヤカの誕生日、来月……」  トリプルコンボで大失態をかましていった彼。これは、妹が知ったら関係に罅が入るレベルのやらかしなのではあるまいか。  だがしかし、この高級すぎる紙袋を、私がこっそりちょろまかすわけにはいかないわけで。 「ど、どうしよ、これ……」  しばし私は、途方に暮れるしかなかったのだった。
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