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〜東京〜
都営地下鉄大江戸線。
汐留駅で止まった車内から、悲鳴をあげながら流れ出る乗客達。
駅員と警備員が慌てて、逃げる人を捕まえ、事情を聞く。
「どうしました?何があったんですか?」
「人が、人が死んでます」
それだけ告げて、走り去る。
駅員の頭の中に、『サリン』の恐怖が浮かぶ。
「駅長!停車中の電車で非常事態発生。番線の切り替えをお願いします」
直ぐに無線を切り、乗客の誘導に取り掛かる。
「2番線に停車中の車両は、トラブルの為、回送されます。お乗りのお客様は係員の指示に従って、慌てずにお降り頂きます様、お願いいたします。繰り返します…」
構内アナウンスが流れ、全車両から乗客が降り始める。
〜警視庁凶悪犯罪対策本部〜
刑事課の電話が鳴った。
「はい警視庁刑事課、どうしました」
ベテラン刑事の鳳来咲が取り、スピーカーに切り替える。
「地下鉄大江戸線、汐留駅で乗客4名が死亡。出動願います」
「犯罪?事故?どっち?」
「薬物によるものと見られるため、犯罪と思われます。尚、犯人らしき人物は不明です」
署内のほとんどは、特設された疾病対策センターと連携して、先の襲撃による被害者の救済と不審死の調査に出ていた。
「咲、現場へ頼む」
部長の富士本恭介が指示する。
「分かったわ。もう、こんな時に❗️」
「ガスマスクを忘れるな!」
「俺も行くぜ」
鑑識・科学捜査部長の豊川勝政である。
「アンタが出ていいの?」
「あっちは、TERRAと国がまとめてるし、俺しかいないからな」
「心強いわ、行きましょ」
防護セットのバックを持って、出て行く2人。
〜TERRA地下基地〜
ヴェロニカが降りて来た。
「昴、アイツはまだ見つかんないの?」
「1人気になる人物がいます」
モニターに、各所の監視カメラ映像が映る。
その1人に、昴がCAPSの犯罪心理データを重ねる。
「こいつは、確か晴海総合病院から、出てきた男ね」
「はい。犯罪を示す数値…というより、あらゆる数値がめちゃくちゃなんです。普通じゃありません」
「つまり、こいつは普通の人じゃなく、宇宙から来たアイツってことね!」
そこで、ふと気が付く。
「この映像は…違う顔じゃないの」
「でも、数値は同じです」
「複数いるってこと?」
「生体反応は一つでした。恐らく、あの顔や容姿は、カモフラージュかと思われます」
「マジか!でもそれなら、病院の件も納得できるわね。容姿を自由に変えられるってことね」
「それから、これは現在までに見つかっている、死亡者の分布です」
モニターに、晴海〜病院を含む地図が映り、赤い光が点在していた。
「病院のある月島から、地下鉄勝どき駅に向かっている様に見えます」
赤い点はそこで途切れていた。
「地下鉄に乗った…マズいわね」
「ヴェロニカ様、先程地下鉄大江戸線の汐留駅で、車両内で数名の不審死が見つかった様です」
「昴、そいつの写真を、富士本さんと咲ちゃんに送って」
言い終えて即電話を掛ける。
「どうしたのヴェロ?」
「ヴェロと呼ぶな〜💢」
「ごめん、忙しいの」
「切るな〜❗️」
「聞こえてませんよ」
さらりと呟く昴。
それはその通りである。
かけ直すヴェロニカ。
「はい、だからいそが…」
「切ったらヒール頭に刺すから!」
「いいわよ、刺し返すから!」
次元の違う会話に、呆れる昴とアイ💧。
「今写真を送ったから、良〜く聞いて。その男がたくさんの人を殺してるヤツ。地下鉄で移動したから、汐留駅もヤツの仕業よ。でも、顔や容姿は変わるから、服装だけを追って!分かった」
「………?」
「いきなりは、ムリかと…」
頭を庇いながら昴が忠告する。
「もう一度分かり易く言うわね!そいつはエイリアンで、晴海でたくさんの人を二酸化炭素中毒で殺し、地下鉄大江戸線に乗ったの。ここまではいい?」
「え、エイリアン?」
「そう、分かればよろしい。でね、そいつは顔や容姿を変える能力があるわけ。でも服装までは変えられないから、服装に注目して、指名手配を❗️分かった?」
「分かるかぁー❗️そんなのあり得ないっしょ❗️顔が変わる?はぁ⤴️⁉️」
「ん〜まったく頭硬いわね!あの球体を見たでしょ。あの、攻撃も見たでしょ!あり得ないことが起きてんのよ❗️頼むから信じて❗️」
そのタイミングで昴が、勝どき駅で電車に乗る写真、車内でその男の周りの人が倒れて行く映像、汐留駅で降りた映像を送った。
「確かに…顔が違うわ」
「信じてくれた?指名手配宜しく❗️」
(はぁ〜疲れた)
「昴ちゃん、ナイスタイミング!」
「ヴェロニカ様、太陽に異変が見られます」
瞬時に時計を見る?
(全く!もう出る頃ね、間に合って〜)
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