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悩み相談員
マジシャンが身につけるような、黒く長い帽子を被ったある壮年の男性が、一人椅子に足を組んで腰かけ、コーヒーを飲みながら優雅に雑誌を読んでいた。
彼の名は周防達平。年齢は36歳。
周防は横浜市にあるこの事務所で、"悩み相談員"という肩書きで自営業をしている。
仕事の内容は主に電話での相談の受付であり、特に"自殺志願者"からの切迫した状況での助けを求める電話が多い。それゆえか、周防は自分にかかってくる連絡を『すくいの電話』と名付け、自身の事務所のホームページにも掲載し紹介している。
彼はつい2ヶ月前にこの事務所を起ち上げて志願者からの相談を受け始め、実際に本人たちをここに招いて話を聞き、自殺を思い止まらせてきた。
しかし……。
周防達平には、単なる"悩み相談員"ではなく、別の恐ろしい顔があったのだ。
周防は読んでいた雑誌を机の上にパタッと置くと、後ろのクローゼットに隠してある"巨大な入れ物"の中を開けた。
ニヤリ。
そこに入っている"コレクション"を見て、思わず笑みがこぼれた。
その"コレクション"とは、一体何なのだろうか……?
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