父の幻影

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 日に日にレオに似てくるリヒトを見ていると、頼もしいような、何か恐ろしいことが起きそうな、座りの悪い気持ちになった。  だが、時折穏やかな表情を浮かべるようになったリヒトを見ると、トワの決心は揺らぐのだった。  このまま、何も知らない方がいいんじゃないのか。  全てを知ることが、幸せとは限らない。  ミリアなら、どうしただろう。  トワは自分の妹─リヒトの母親─の顔を思い浮かべた。    どうかこのまま、平和な日々が続きますように。  だが、トワのそんなささやかな願いが叶わぬ日が来てしまった。  
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