父の幻影

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 最初の出会いが、ドラゴンバードに乗った姿だなんて。  そのせいだろう。  青い空を見るたびに、差し出された手と、仰ぎ見たユリアの顔を思い出さずにはいられない。  そのたびに、リヒトの胸は甘く高鳴った。 「空がどうかしたか」  不意に声をかけられて、びくりと肩が跳ねた。 「おじさん。急に話しかけないでよ。びっくりするじゃないか」 「ワシはさっきからずっとここにいたがな」  んん……、何かを誤魔化すように不明瞭な声をあげ「今日もいい天気だ」と、とってつけたように大きな声で言うとリヒトは歩き出した。 「頼まれていた刀の研ぎが終わったから届けてくるよ」 「わかった」
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