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おかしいな。
好きと言えない事が何より苦しいはずなのに、なぜか全く苦しくない。
君とキスをしている。
その事実だけで、半ば自棄になっていたことも忘れ、幸せな気持ちに包まれた。
君は、僕が落ち着くまでずっと一緒に呼吸を合わせてくれた。
やっと深呼吸ができるようになって、ゆっくりと唇が離れる。
「無理に喋ろうとしたら、すぐにまた口塞ぐから」
君はそんな忠告をしていたらしい。
けど、色々と必死すぎて、僕の耳には全く入ってこなかった。
「っ、あ、あの、…僕、迅くんの事が、すき、っン!」
僕の告白は、またもや君の口で塞がれてしまった。
「……バカ、俺の方が好きだよ」
その後、どこまでも優しくて甘いキスと共に、君の胸中を思い知らされたんだっけ。
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