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僕は物心ついた頃から、とにかく泣き虫だった。
保育園の頃は、まだ泣き虫でも許されていたと思う。
でもさすがに小学校に上がったら、よく泣く僕は白い目で見られ始めた。
授業で先生に当てられ、発言するのが怖くて泣いてしまったことがある。答えはわかっていたのに、間違っていたらどうしようという不安と、クラス中から注目されているという意識がもう耐えられなかった。
そんなんだから女の子にも見下されるし、クラスではいつも笑い者だった。
「お前はほんっとに泣き虫だなぁ」
そんなことを言いつつも君だけは馬鹿にしないで、いつも味方でいてくれた。
でも、守られてばかりは嫌だった。対等でいたかった。
だから小学校を卒業する時、もう君に泣き顔は見せないと心に誓った。
中学校に上がって、君のように逞しくなりたいと、同じ部活に入った。
だけど結局僕は先輩からのいびりに耐えられなくて辞めてしまったんだ。「なんで辞めたんだ」って、必死に理由を聞いてくれたね。
特別仲が良いわけでもなかったのに、気にかけてくれて嬉しかった。
泣き顔を君に見せたくなかったから辞めたなんて、今でも言えないよ。
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