complex romance

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会うことにした。もちろん、仕事のあとだ。わざわざ合わせるほど余裕もない。 コーヒーくらいとしつこく言われて、駅前のカフェで待ち合わせた。 「スマホ拾って下さってありがとうございます。」 「いえ、こちらこそ。警察にでも届け出れば良かったと後悔しています。」 仕事帰り、タイト気味なブラックスーツ。スタイルの良さそうな彼女は、モテるんだろうなとふと思う。 別に何と言うわけではないけれど、見惚れているのかもしれない。 「あの…、良かったら、夕飯ご一緒しませんか?」 笑える。思わず口に出た。 忙しいわけではないし、どのみち帰っても一人だ。誰かを誘うなんてどれくらいぶりか。 「いいですよ。」 あっさりオッケーか。 ムカつくほどの笑顔だ。可愛い。 彼氏がいなければ、付き合いたいと思える。でも、問題は自分も女だと言うことだ。 どう見たって普通の子だ。彼氏がいるいないの前に、女と付き合わないだろうな。 そんな自分の気持ちに笑った。
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