第一話

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「…さっきのは、夢?」 ミチユキが目を覚ました場所は、さっきまでいた、門の前だった。 立ったまま寝てしまっていたようだ。 「ミチユキくん、大丈夫ですか?」 隣を見ると、ツキが立っていた。 「ツキ、ああ大丈夫、もうすぐ掃除終わるから…。」 「…そうですか、良かったです。ヒナは教会の医務室で休んでます。その、ありがとうございます。」 ぺこりとお辞儀をするツキの頭を撫でる。 「お前は、ませたことをするな。ヒナが大丈夫そうで安心した。ツキも何かあれば言えよ。」 ツキは照れたように顔を上げる。 「…僕がヒナを守るので。では、失礼します。」 ツキが教会にタッタッタッと走っていく。 ミチユキは、持っていた雑巾を門にかけ、置いておいた鞄を持った。 「…あれ?何か忘れてるような。なんだったけな…。」 いつもの通学路を歩くミチユキ。 それを陰から見る一人の姿。 黒い艶のある髪とエメラルドグリーンの瞳が揺れる。
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