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「…さっきのは、夢?」
ミチユキが目を覚ました場所は、さっきまでいた、門の前だった。
立ったまま寝てしまっていたようだ。
「ミチユキくん、大丈夫ですか?」
隣を見ると、ツキが立っていた。
「ツキ、ああ大丈夫、もうすぐ掃除終わるから…。」
「…そうですか、良かったです。ヒナは教会の医務室で休んでます。その、ありがとうございます。」
ぺこりとお辞儀をするツキの頭を撫でる。
「お前は、ませたことをするな。ヒナが大丈夫そうで安心した。ツキも何かあれば言えよ。」
ツキは照れたように顔を上げる。
「…僕がヒナを守るので。では、失礼します。」
ツキが教会にタッタッタッと走っていく。
ミチユキは、持っていた雑巾を門にかけ、置いておいた鞄を持った。
「…あれ?何か忘れてるような。なんだったけな…。」
いつもの通学路を歩くミチユキ。
それを陰から見る一人の姿。
黒い艶のある髪とエメラルドグリーンの瞳が揺れる。
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