第一話

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学校につき、ミチユキは靴を上履きに履き替える。 「おはよう、ミチユキ。」 声をかけられ、横を見ると、靴を脱いでいる同級生の姿があった。 「ヒビキ、おはよう。」 ミチユキが答え、二人で教室を目指す。 ミチユキがちらりとヒビキを見る。 ヒビキは、右耳に紫の耳飾りをつけている。 かすかに揺れる耳飾りを見ていると、ヒビキがミチユキを見て微笑む。 「そんなに見られたら照れるぞ。何か僕の顔についてるかい?」 「いや、毎回思うけど、そんなのつけて、よく先公に注意されないよな。」 「今更だな…。これが御曹司の特権だよ。まぁ、教会暮らしの君には難しいだろうけどね。」 ヒビキは超お金持ちの家の長男、 いわゆる後継だった。 教室に着いたふたりは、各々の席に座った。 当たり前の日常を送るミチユキ。 ヒビキも当たり前の日常を送る。 外は相変わらずの晴天だった。 しかし、午後には雨が降りそうだった。 長い長い大雨が、竜巻とともに。
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