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学校につき、ミチユキは靴を上履きに履き替える。
「おはよう、ミチユキ。」
声をかけられ、横を見ると、靴を脱いでいる同級生の姿があった。
「ヒビキ、おはよう。」
ミチユキが答え、二人で教室を目指す。
ミチユキがちらりとヒビキを見る。
ヒビキは、右耳に紫の耳飾りをつけている。
かすかに揺れる耳飾りを見ていると、ヒビキがミチユキを見て微笑む。
「そんなに見られたら照れるぞ。何か僕の顔についてるかい?」
「いや、毎回思うけど、そんなのつけて、よく先公に注意されないよな。」
「今更だな…。これが御曹司の特権だよ。まぁ、教会暮らしの君には難しいだろうけどね。」
ヒビキは超お金持ちの家の長男、
いわゆる後継だった。
教室に着いたふたりは、各々の席に座った。
当たり前の日常を送るミチユキ。
ヒビキも当たり前の日常を送る。
外は相変わらずの晴天だった。
しかし、午後には雨が降りそうだった。
長い長い大雨が、竜巻とともに。
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