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「だ、誰ですか?」
「このアパートの家主だ。君こそ誰だ?」
「あ、俺は三島春斗という者ですけど。今日、部屋を見せてもらうという約束を、したと思うのですが……」
「おお! あんたか。忘れてた忘れてた。ハハハハ」
家主だという男は豪快に笑い、手招きしながら玄関を上がる。
春斗は「ハハハハじゃねえよ」と口の中で呟いて、ついていった。
男は玄関を上がってすぐ左側の部屋に入る。十二畳ぐらいの広さの室内には流し台、ガスコンロ、換気扇、電子レンジ、ダイニングテーブルなどが設置してあった。
「ここが共同キッチンだ。好きな時間に使っていいことにしてある。ただし、使った後はちゃんと片づけるのがルールだ」
と言いつつ、ダイニングチェアに座る。
どうぞ、といった感じで手を向けるので、春斗はその向いに座った。
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