誤解という罪

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駅の地下通路を走った。 「待たせたな早見、行くぞ」 「遅い!手嶋刑事。捜査会議に遅れちゃいますよ」 「わりっ!」 俺は早見の方を向き思わず口に出した。 「綺麗だなぁ」 「えっ?わかります?ちょっとヘアオイルを……」 「あっ、お前じゃない、お前の後ろ!このポスター」 顎でそれを指し早見に促した。早見も見る。 「本当だ…」と少しの間見惚れた後、照れを隠す様に 「もう、紛らわしい事言わないで下さい!」 歩き出した俺の背中で早見の声が聞こえる。ったく、ただのバディに綺麗だなんて言う奴いるかよ。俺は追い付いた早見をチラ見し、ため息をついた。 「すみませんねぇ、また私がペアで」 「んな事言ってねぇじゃん」 「言ってます、ため息で!ところで何かわかりました?」 「あぁ、専門医に聞いて来たよ、後で話す」 俺達は早足で改札に入った。
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