指パッチン☆

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指パッチン☆

 言い切るとナナはゆっくりと座り、 「そっ、バナナの精霊。んでっ、私がここに来たんじゃなくてママっちが買ったバナナの中からバナナ·ガールを当てたの、因みにその確率は何千億万の1」  そう言われてもと頭の整理がつかない3人だが末信(すえのぶ)は口を開く。 「んなの信じられっかよっ、非現実すぎるだろうがっ」 「あんたね〜、よく見なさい、これが現実なのよ? わかる? 末信君」  ぐぬぬぬぬ、人を子ども扱いしやがってと実際子どもなのだがどうしようと追い詰められる。しかし家族を守るためとにと閃いた。 「しょっ、証拠を出せ、『精霊よん♡』って言うような証拠をよっ!」  これならどうだと言わんばかりだったが、待ってましたと目を再び細め口角が上がりニヤけるナナ。 「そっ、じゃ〜あ・・・ホイッ!」  パチンッ☆  言葉と同時に指を鳴らすと一人ひとりの前になんとバナナが現れたのだ。 「まじっ」 「さぁどうぞ、召し上がれ」  むむっと躊躇する末信をよそに末信ママと千夏は食べると言って兄が止める間もなく一口、 「まてっ、あっ!」 「あ、あまい、おいしいー!」 「ほんとうね〜、何なのかしらこの甘み」 「フフーンッ、それはねフィリピン産の高〜い所のバナナで甘さがすごいのよ〜」  どうやらバナナにも詳しいようだ。しかし彼だけはまだ腕を組んで食べようとしない。 「どうしたのホラ、食べてみなよ」 「ちょっと末信〜、いい加減にしなさ〜い。もう正直になったらん?」 「そうだよお兄ちゃん」 「・・・いやさっき、2本バナナ食ったから」 「んも〜なによ末信ったら〜欲ばって〜、ダメじゃないの〜ん」  ハハハッと笑ってごまかすも結局許すのか許さないのかどっちだという3人の呆れたような目線、いつの間にか空気は末信が悪い方に向いてる気がして、 「くう〜・・・はいはい、分かりましたわかりましたよ、許しますユルしますよ〜だ」 「あ〜、お兄ちゃんおうじょうぎわ悪〜い」 「もう許しただろ、んじゃ二階で勉強するんで」  そう言い捨て場が悪いと思ったのかドタドタと階段を上がってその場を去って行ってしまった末信。 「ごめんね〜、ナナちゃん」 「ごめんなさい」  彼の代わりにと謝る末信ママと千夏に、 「うんうん、二人が謝ることなんてないから」  首を思いっきり振って大丈夫アピールをするナナは改めて、 「ということで2ヶ月間よろしいですか?」 「ええ、でもお父さんにもちゃんと許可を取らないと」 「あ、そうですよね」 「それと私からもお願いが」 「はい?」
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