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高校
「――いってらっしゃ~い」
「行ってきまーす」
今日も青天、日がつよ・・・くなる前の早朝は学生たちが学校へと登校する時間でとうぜん学生である末信も自転車を漕いでいた。
「はぁ〜っ、夢じゃねえのか〜」
朝起きてリビングに向かってみれば「おっはー」と元気に末信ママの手伝いをしていたナナの姿、出ていく気はさらさら無いと言わんばかりの雰囲気にどう思っていいのかも分からない。
「精霊でバナナ·ガールだっけ、名前はナナで、何故かギャル。色々ありすぎなんだよ、そもそも・・・」
プップーッ、
「はっ、あぶねっ!」
横断歩道を少し出たところで急ブレーキ、車のクラクションを鳴らした中のツンツン頭のおっさんにも睨まれ一瞬ムッとなったが目を信号に合わせれば、
「赤だったのか〜」
自分の不注意。
「いけねーいけねー今は学校に切り替えねえと」
不注意、昨日現れた奴のことは置いといて末信は反省しながら安全運転で学校を急ぐ······。
ハ大高校、
知らない人々はこの高校のことを『はちだい』『はちおお』などと間違う人がいるが正解はカタカナの『ハ』と漢字の『大』でありなんのヒネリもないどストレートにハ大高等学校である。
新人の先生や生徒は絶対にこの名前には何かあるという者がいたり秘密を探る者が現れるなどハ大高校七不思議とも都市伝説とも噂されているのであった。
そんな学校に着いた車に引かれそうになった男、末信。
「あ〜あ〜、朝っぱらからおっさんに睨まれるんだもんな〜、今日はついてね〜よ〜」
あんな事になったのもあのギャルバナナが悪いとブツブツ言っていたが急に目がある女の子の方に、
「あっ、よっよよ桜子ちゃんっ!」
「あ、おはよう末信君」
その子は階段を上って教室の方へと歩く彼女は林 桜子。
「お、おはよう」
あいさつを終えると教室へ入っていった。あいかわらずカワイイぜ〜っと何をかくそう彼は彼女惚れていたのだ。
肩までの黒髪に人と無表情な顔、その距離をとるような淋しそうな雰囲気の桜子にひと目見たときからドキドキの一目惚れだった。
教室を入ってすぐの席に付き一番前に座った桜子の後ろ姿を見てうっとりしていると周りから、
太った連中がひたすら食い物の話、
可愛子ぶった連中が話していたり、
ギャルがなにかを教えてたり・・・んっ?
「ナ、ナナッ!」
あのバナナ、いやあのナナはなんでここにと冷や汗をかき困惑する。
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