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 母親が、なにか話している気配がする。それから、二言三言、会話のやり取りが続いた。少し静かになったと思ったら、誰かが・・・足音からして、母親だろう・・・階段をあがって瞳の部屋のドアをノックした。 「瞳?」  案の定、母親だった。  瞳が 「なに?」 と返すと、母親は、ドアを開けて部屋に入り、こう言った。 「高木さんたちがね、瞳の具合が悪いなら、せめて、お見舞いの挨拶だけでもしたいって言ってるんだけど・・・どう? そのくらいなら大丈夫そう?」  瞳は、目を剥いた。鏡を見なくても、顔から一気に血の気が引いたのが分かる。  娘の異変に、母親も気付いたらしい。少し首を傾げて、 「瞳?」 と尋ねるのにかぶせて、瞳は、 「嫌・・・絶対、無理!」 と絶叫し、頭から布団をかぶると、身を震わせて号泣した。
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