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砂漠に水を
私の人生に彼氏という存在はいない
もちろん恋はたくさんした
14歳で初恋をしてから今まで20人に告白したけどすべて全滅
好きになる基準がイケメンであること一択
だからうまくいかないのかもしれない
梓沢琴葉 22歳
20歳の時に恋愛を諦め、好きになることもやめた
だんだんと綺麗になることにも遠ざかって、髪型もメイクもキラキラした女子になるための努力もしなくなった
22歳なのに枯れきっている
仕事は事務職で毎日17時には退社できる
今日もいつものように定時で仕事を終えると、着替えて会社を出た
交差点で信号待ちをしてから渡った目の前のヘアサロンを何気なく見ていた
そういえば髪切ったのいつだっけ?
たぶん半年前くらいだったかも…
就職してからそこにヘアサロンがあるのは知っていた
毎日通るし気になってはいたのだが、おしゃれすぎて私の入れるところじゃないと避けてきたのだ
その時…
お客さんを見送るためにイケメンの美容師さんがドアを開けてお店から出てきた
藍斗「ありがとうございました。またお待ちしています」
とびきりの笑顔に目を奪われる
挨拶して帰っていくお客さんも嬉しそうにキラキラして見えた
ドアを閉めようとした美容師さんがふとこっちを見た瞬間、ガン見していた私と目が合って動きを止めた
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