砂漠に水を

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あれ? この人どこかで見たことある… 頭の中で一致する人をグルグル回転させて思い出している 藍斗「ねぇ、ちょうどキャンセルが出て今からならカットできるけどやらない?」 えっ?私に言ってる? キョロキョロ回りを見回しながら自分以外誰もいなかったので、私の事だとやっとわかった 琴葉「いいんですか?」 まさか声をかけてもらうなんて思ってなかった 藍斗「もちろん。俺、髪切りたいなぁって思ってる人ってわかるんだよね」 その通り自分の心が読まれたんじゃないかとドキッとする 琴葉「えっすごい。思ってました」 ずばり当たっていたので即答で答える 藍斗「でしょ。こっちおいで」 手招きしてドアを開けてくれている その姿にキュンとしてフラフラと近づいていった あれ?もしかして藍斗くん? 近づいてはっきりした見覚えのある顔に、驚きすぎて手で口を押さえる私 堂島藍斗(どうじまあいと) 24歳 TikTokでフォローして毎日のように見ていた彼だったからだ 嘘でしょ? こんな近くで働いていたなんて予想外すぎる 藍斗「どうぞ」 なかなか店に入らない私を変だとも思わないでずっとドアを開けてくれている 琴葉「ありがとうございます」 間近にきたら目を合わせることもできない 下を向きながら店の中に入った 藍斗「新規のお客さん入ったから」 お店の女性アシスタントに声をかけると、彼は私のすぐ横に戻ってきて… 藍斗「ちょっと待っててね」 琴葉「はいっ」 そう言ってお店の裏に入っていった
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