プロローグ

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プロローグ

「よっしゃあ〜、できあがったあ」   部屋の中は青のカーテンで閉ざされ、僅かばかりの太陽の光が差し込んでいる。 照明のかさの上にはホコリがつもり、電球には光が灯されていない。 床一面に散りばめられた書籍、紙パック、弁当殻… それぞれの匂いが渦巻いて、異様な匂いが立ち込めている。 そのような空間の奥に一人の男がいた。 入り乱れた髪の毛に、今にも折れてしまいそうなガリガリの体。 そのような彼の容姿は、この空間にしかと溶け込んでいる。 彼の目の前には、古びたデスクトップが佇んでおり、画面上に長文のソースコードが並べられている。 そして、机の上では、ゲーム機が置かれていて、ケーブルを介して、このデスクトップとつなげられている。 彼はそのゲーム機を手に取り、電源をつける。 「さてさて、最高傑作のゲームが完成したあ。これは流行るぞお…」
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