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白い箱../実験 後編
「ふざけんな!!!」
俺が声を荒げると男は
「い゛っっ」
と声を洩らし、掴んでいた髪の毛を離す。
その直後だった。
身体が焼けるように熱く、呼吸が上手くできない。
悶えていると
*ピッッ
と機械音が響いた。
[スキャン結果 興奮状態
H2SO4ヘノ変動ヲ確認 危険ナ状態デス]
スキャンが終わると男は舌打ちし、俺に近づく。
離れようとし身体を動かそうと試みるが、得体の知れない苦しさと痛みにそれどころではなかった。
首元にチクリと痛みを感じた途端、視界がぐわんと歪む。
男が何か言っていた気もするが、ブツンと俺の意識は途切れた。
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