黒い箱../過去編 後編

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酸性製品と塩素製品を混ぜると塩素ガスが発生する、という話は聞いた事があるとは思う。 そこに目をつけ、酸性の性質をもつ実験体と塩素系の実験体の作成を行っていたのだが…… どういうわけか、アルカリの性質を持った実験体が生まれてしまった。 性質を持って生まれたことに関しては大成功なのだが、計画への参加は難しいとされ、アルカリちゃんはと呼ばれた。 酸性くんの様に濃度変更などを行う事ができれば、アルカリちゃんにも利用価値は十分にあるのだが、女型ということもあり、どうも数値が安定しなかった。 「からね」 の言葉を思い出す。 計画への参加か女としての利用法か、どちらをとっても幸せにはなれないだろうが、これも定めなのだろう。
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