黒い箱../青い瞳

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深呼吸をし、部屋へと入る。 薄暗い部屋の中、私を呼び出した人はポツンと立っていた。 「アルカリちゃん、おはよう」 私は軽くお辞儀をする。 「ほら、こっちにおいで」 言われるがままに私はゆっくりと近づく。 目の前まで近づくと、その人は私の前髪をそっと持ち上げる。 わざと長く伸ばしている前髪、視界が遮られることで守られている様な気がした。 クリアになった視界、目の前に立つ人と目が合う。7ec029e6-ce36-4f2f-8758-7787259166e2 「いつ見ても綺麗だ」 そう笑うと、そっと前髪を離す。 「さぁ、今日も始めようか。大丈夫、怖くないからね」 と服のボタンに手がかかる。
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