酸性くんとアルカリちゃん

白い箱../赤と青

ズキズキとした痛みで目が覚め、見慣れた景色に生かされている事を自覚させられる。
ゆっくり身体を起こすと、チカチカとタブレットが光っていた。

……また呼び出しだろうか。

［酸性くん、お疲れ様。今日はとても良い成果を得られたよ。
　話した通り今日は天気がいいからね、中庭へのアクセスを許可してあるよ。
　ゆっくり過ごしてね。
　榊(さかき)より］

この箱の中にゆっくり過ごせる場所なんてないが、中庭は僕らにとって唯一の癒しの場所だ。

呼び出しではなかったことに安堵し、部屋のセキュリティを解除し中庭へと向かった。