白い箱../赤と青

4/7
前へ
/63ページ
次へ
陽の暖かさで少し眠たくなってきた頃 *ピピッ と扉のセキュリティが解除される音に、目を開く。 扉の方を見ると、そこには青髪の女の子が立っていた。 大樹のもとまでくると、女の子は少し距離を開けて腰を下ろす。 「暖かい…ね。」 「うん、眠くなる心地良さだね。」 少しの沈黙の後、青髪の少女は口を開く。 「アカツキ」 この言葉に、僕は少女を見つめる。 「、呼んで欲しい。」 「…アオイ」 長く伸びた前髪の隙間から見える、アオイの澄んだ瞳が僕を捉える。 「名前、呼んで欲しかったんでしょ。」 と僕は顔を逸らす。 「うん、私達だけの呼び名だから。」 とアオイは嬉しそうに微笑んだ。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加