十一 証拠と被疑者

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「早川。答えろ!」 「・・・」  東条肇課長(警視)の追及に早川修係長(警部)は答えない。どうやって言い逃れるか思案している。 「答えないなら、犯人隠避で逮捕だ!  野村班長。早川を逮捕しろ!」 「罪状は何ですか?」  野村修司班長(警部補)が言い訳がましくそう訊いた。 「今、言っただろう。犯人隠避だ。  被疑者死亡だ。野村!早川を逮捕しろ!」 「そう言っても逮捕理由がありません」 「このメモリーカードが証拠だ!  霧島の部下だった者を、全員しょっぴけ!尋問しろ!  まず、早川からだ!」  東条肇課長(警視)に指示され、野村修司班長(警部補)は、渋々、早川修係長(警部)に手錠をかけた。捜査本部がいっせいにざわめいた。 「いいか!霧島の部下だった者を、全員逮捕しろ!  わかったら、すぐにやれ!」  捜査本部に東条肇課長(警視)の怒号が響いた。
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