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十二 尋問
取調室で、東条肇課長は早川修係長を椅子に座らせた。手錠は机の手錠固定部に固定されている。
「野村、手錠を出せ」
東条肇課長の指示に従って野村班長は取調室の机に手錠を置いた。
「早川の向いに座れ」
野村班長は早川係長の前に座った。
「手錠をはめて机に固定しろ」
「なんで私が?」
野村班長は自分の手首に手錠をはめて机の手錠固定部に固定した。
「野村。理由はお前がよく知っているだろう」
「わかりません」
「メモリーカードの内容を早川から確認しろ」
東条肇課長はボイスレコーダーを机に置いた。
「そのレコーダーに入っているのは若松の膝にあったメモリーカードのコピーだ。記録を消しても無駄だ。
尋問を始めろ。事実を聞き出すまで、この部屋から出るな」
東条課長は野村班長にそう指示して、その場に待機している二人の制服警官に、
「飲み水と簡易トイレを持ってきてここに置け」
と指示して取調室を出た。
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