十二 尋問

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 取調室の隣屋で、東条課長は警護の警官に早川係長と野村班長の逮捕を指示した。  霧島課長を通じて組織から女をあてがわれた臼田副総監と若松本部長は組織犯罪対策部に圧力をかけて、捜査の手を抜くように指示していた。組織犯罪対策部も組織から、何らかの見返りを与えられていたと見るべきだろう・・。 「組織犯罪対策部組織犯罪対策第五課の課長を呼べ」  まもなく、組織犯罪対策部組織犯罪対策第五課の課長が隣の取調室に座った。東条課長は霧島が語ったメモリーカードの録音を聞かせた。 「否定も言い訳もしません。上からの指示があれば、従わざるを得ませんでした」 「若松本部長からの指示はいつからだ?」 「組織犯罪対策部ができる前からです」  二〇〇三年四月一日、刑事部捜査第四課、暴力団対策課等に代り、組織犯罪対策部が設置された。  いったい本庁にまともなヤツはいないのか?ここにいる者たちは信用できない。上司の圧力に負けずに、捜査をできる者を捜そう・・・。  東条課長に稲妻の如き思いが閃いた。
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